トマトときゅうりの相性問題をめぐる騒動の根源にあるのは、きゅうりに含まれる酵素「アスコルビナーゼ(アスコルビン酸酸化酵素)」の存在です。この酵素がトマトに豊富に含まれるビタミンC(L-アスコルビン酸)に作用することから、「ビタミンCが壊されて無駄になる」という極端なフレーズが一人歩きしました。特に昭和後期から平成にかけての健康情報番組や一般誌でセンセーショナルに見出しが打たれた結果、あたかも毒性や栄養の全喪失が起きるかのようなパブリックイメージが形成されてしまったのです。
しかし、現代の食品機能学において、この説は完全に修正されています。家庭の調理台で起きている生化学反応は、一般にイメージされるような「栄養素の完全破壊」とは全く異なるプロセスを辿っています。
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