鉄火のマキちゃんが初登場を果たしたのは、1989年12月に放送されたTVアニメ第61話「アンパンマンとてっかのマキちゃん」である。アンパンマンの世界には数多くの食べ物をモチーフにしたキャラクターが存在するが、彼女の立ち位置は明確に一線を画していた。頭部が鉄火巻そのものであり、鉢巻きをきりりと締め、法被に身を包んだその姿は、伝統的な日本の職人文化をそのままデフォルメした造形である。
彼女のルーツは、遠く離れた海原の彼方にある「おすしの国」だ。故郷の大トロ城を中心とするコミュニティから外へ飛び出し、屋台を引きながら各地で極上の鉄火巻を振る舞う流浪の旅を続けている。一所にとどまらず、空腹で行き倒れかけた者や悪意に苦しむ者を見過ごせない性分は、まさに古典的な股旅ものや時代劇の主人公そのものである。
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