電話口での「もしもし」は、英語圏の「Hello?」に直結するフレーズとして世界的に認知されています。これは「申す、申す(申し上げます)」が語源であり、電波状況が不安定だった初期の電話回線において、相手に自分の声が届いているかを確認するための合言葉として定着しました。そのため、対面で「もしもし」と声をかけるのは、前を歩く人が落とし物をした時などに注意を引く例外的な場面に限られ、一般的な挨拶としては機能しません。また、現代のビジネス電話では「もしもし」すら崩れた表現と見なされ、「はい、〇〇社でございます」と名乗るのがビジネスマナーの鉄則です。
店舗や接客の現場で用いられる「いらっしゃいませ」も、英語圏の「Hello, how are you today?」に相当する役割を果たしますが、双方向の会話を前提としていません。欧米のショップでは店員と客が対等に「Hello」を交わしますが、日本の接客現場において「いらっしゃいませ」は店側からの一方通行の歓迎儀礼です。客側は「こんにちは」と言い返す必要はなく、黙礼や軽い会釈を返すのが自然な作法とされています。
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