ドアに指先を強く挟んだ際、最も激痛を伴うのが「爪下血腫(そうかけっしゅ)」です。爪の硬い甲板とその下にある爪床(そうしょう)の間に血液が溜まる病態を指します。
爪の直下は骨に密着しており、組織が伸びる余地がありません。微量の出血であっても内圧が急激に跳ね上がり、神経を直接締め付けるため、夜も眠れないほどの激痛(跳動痛)を引き起こします。放置すると爪床が壊死し、将来的に爪が剥がれたり、変形した爪しか生えてこなくなる後遺症を残すことがあります。
血腫が爪全体の20〜30%以下にとどまり痛みが自制内であれば、爪の成長とともに数ヶ月かけて自然に押し出されるのを待つ選択肢もあります。しかし、血腫が爪の50%以上に達している場合や、痛みが耐え難い場合は、整形外科や形成外科での処置が必要です。
医療機関では、細い針や専用の医療用器具を用いて爪に微小な穴を開け、内部の鬱血を排出する「穿刺排膿・血腫穿孔術」が行われます。圧力が抜けた瞬間、劇的に痛みが消失します。安全ピンを火で炙って自分で穴を開けようとする民間療法がネット上で散見されますが、深部感染や骨髄炎を招く極めて危険な行為であるため、絶対に避けてください。
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