井上苑子の音楽的原点は、小学生時代からギターを抱えて立った大阪・心斎橋の路上ライブにあります。雑踏の中で足を止めてもらうために磨き抜かれた芯のある歌声と、目の前の相手に話しかけるような親密な距離感。その資質がメジャーシーンで完璧な結実を見せたのが、高校3年生の夏にリリースされた「ふたり」でした。
2015年7月、ミニアルバム『#17』でメジャーデビューを飾った彼女は、休む間もなく1stシングル「ふたり」を投下します。当時17歳。「高校最後の夏」という人生で一度きりの季節を背負った彼女が放ったミュージックビデオ(MV)は、学校生活の瑞々しい光景と、伝えられない想いのコントラストを描き出し、YouTubeを中心に爆発的なバイラルを起こしました。彼女は単なる作られたアイドルシンガーではなく、等身大の悩みや胸の痛みを自らのペンで綴る「代弁者」として同世代の女子中高生に受容されたのです。
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