大雨の降りしきる廃ビルや荒涼とした風景の中で、ただひたすらにピアノを弾き語る野田洋次郎の姿。公式ミュージックビデオで描かれた世界観は、映画本編の持つ生々しさをそのまま抽出したような質感を持っていました。
『天気の子』は公開当時、その倫理的な結末を巡って賛否両論を巻き起こしました。東京が水没することを選んででも、陽菜の生を選んだ帆高の選択。「世界なんて狂ったままでいい」というメッセージは、従来の公共性を重んじる価値観への反逆でもありました。
公式MVのトーンは、その選択が決して無邪気な勝利ではないことを示唆しています。代償を背負い、罪悪感を抱えながら、それでも息をしていく覚悟。映像の中の冷たい雨と差し込む光の交差は、楽曲の核心にある「生き延びることへの責任」を雄弁に物語っていました。
Tags: