椎名林檎のキャリアにおいて、2000年1月はひとつの頂点でした。病的な熱情を歌った表題曲『罪と罰』がチャートを席巻する裏で、シングル盤の2曲目にひっそりと収められていたのが『17』です。本作はデビュー前の17歳前後に書かれたストック楽曲がベースとなっており、アレンジにはオルタナティブ・ロックやグランジの乾いた質感が色濃く反映されています。
日本語の極限まで研ぎ澄まされた文語体やレトロスペクティブな仮名遣いで知られる彼女が、なぜこの曲では全編英語詞というアプローチをとったのか。その理由は、母国語では露悪的になりすぎてしまう自己の内面を、異国の言葉というフィルターを通すことで純化し、客観的なアートフォームとして吐き出す必要があったからに他なりません。商業主義的なJ-POPの枠組みとは一線を画すアングラなガレージサウンドは、当時の音楽通を唸らせ、2008年リリースの10周年記念B面集『私と放電』で再び脚光を浴びることとなりました。
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