甘長とうがらし(別名:甘長甘とう)は、トウガラシ属の中でも辛味成分カプサイシンの生合成が極めて低く抑えられた甘味種です。しかし、植物生理学的に辛味を生み出す遺伝的経路は完全に消失していません。乾燥、日照過多、夜間の高温といった過酷なストレスに晒されると、防衛反応としてカプサイシン合成酵素が活性化し、激辛個体へと変貌します。
市場に出回る中から刺激の強い個体を避ける、あるいは辛いものを好んで選ぶためには、外観の構造的特徴を観察することが極めて有効です。
見分け方の第一基準は「先端の形状」です。甘くジューシーな標準個体は先端が丸みを帯びていますが、ストレスを受けた個体は細く鋭角に尖る傾向があります。第二に「果実の歪みと硬さ」です。緩やかに波打つストレートな形状に比べ、急激に折れ曲がったものや触った際に弾力が乏しく硬く締まったものはカプサイシン含有量が高い傾向を示します。第三に「種の付き方」であり、調理時にヘタ直下の胎座(白いワタ部分)に種が不規則に密集しているものは強い刺激を帯びているケースが多いため、必要に応じて除去することが賢明です。
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