123便は羽田への緊急着陸を試みながらも、針路を北西に変え、山岳地帯へと流されていきました。コックピット内の交信記録とフライトデータレコーダーが示す推移は以下の通りです。
| 発生時刻 | 飛行状態と高度 | コックピットの対応と機関士の行動 |
|---|---|---|
| 18:24:35 | 相模湾上空(約24,000ft) | 爆発音発生。垂直尾翼の過半が脱落し油圧全4系統を喪失。緊急事態宣言(スコーク7700)を発信。 |
| 18:31:02 | 伊豆半島〜富士山東麓 | 福田機関士が「ハイドロプレッシャー全滅」を確認。羽田帰還を模索しつつエンジン推力制御を開始。 |
| 18:40:44 | 大月上空〜山梨県上空(約22,000ft) | オルタネート装置によるギアダウンを実施。空気抵抗の増加により機体の安定化と降下を試みる。 |
| 18:47:10 | 奥多摩〜長野県境付近 | 山岳地帯に向かう機体を回避させるため、左右エンジンの出力を非対称にして旋回を試みる。 |
| 18:54:30 | 群馬県多野郡上野村上空 | 急激なピッチダウンが発生。予備電気駆動でフラップを展伸。「あたま上げろ、パワー!」と叫び続ける。 |
| 18:56:30 | 高天原山(御巣鷹の尾根)標高1,565m | 一本唐松の尾根に右主翼が接触後、裏返しとなって斜面に激突。記録停止。 |
制御不能に陥ってから激突に至るまでの32分間という飛行時間は、航空工学のシミュレーション実験において「再現不可能」とされるほどの長さです。米国の航空専門家やパイロットが同条件でフライトシミュレーター実験を行った際、ほとんどのテストケースで数分以内に空中分解するか制御不能となって墜落しました。乗務員3名の凄まじい協調と、福田機関士の計器監視がなければ、これほどの時間、空中に留まり続けることは不可能でした。
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