なぜ店舗側は、警察の指導や世間の批判を浴びてまで屋外営業に固執するのか。その根底には、極めてシビアな店舗経営の損益分岐点が存在する。
アメ横の高架下周辺のテナントは、間口が狭く奥行きも浅い、いわゆる「うなぎの寝床」のような極小物件が多い。店内の席数はせいぜい10席から15席程度。高騰する上野エリアの坪単価と光熱費、人件費を賄うには、客単価2,500円〜3,500円前後の大衆居酒屋業態では客回転率を極限まで高める必要がある。
仮に店外の公道や軒下に4人掛けテーブルを3セット(計12席)並べることができれば、店舗の収容キャパシティは一気に2倍に跳ね上がる。家賃を追加で払うことなく売上を倍増させられる構造が、罰金リスクを冒してでも外席を出し続ける最大の動機となっている。ある居酒屋店主は「外席がないと金曜の夜でも赤字。観光客は『外で飲む雰囲気』を求めてやってくる。中に入れと言っても素通りされる」と本音を漏らす。
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