『ドラゴンボール』のオープニングといえば、高橋洋樹が力強く歌い上げる「魔訶不思議アドベンチャー」です。疾走感あふれるブラスサウンドと冒険活劇の興奮を前面に出した男児向け主題歌の王道スタイルでした。これに対し、エンディングテーマである「ロマンティックあげるよ」は、当時のアニメソング界において極めて革新的なアプローチが採られていました。
作詞は吉元由美、作曲は林哲司の門下生としても知られる清岡千栄子、編曲は山本健司が担当。当時の日本コロムビア専属レーベルが打ち出したのは、子供向けの勧善懲悪ソングではなく、1980年代半ばに台頭していたアーバンなシティポップ歌謡の融合でした。ヒロイン・ブルマの視点を軸に据え、少女の揺れ動く恋心と神秘的なドラゴンボールの探索を重ね合わせたリリックは、放送を見ていた少年少女だけでなく大人の鑑賞にも堪えうる洗練された完成度を誇りました。
レコーディング当時、橋本潮は20歳前後。伸びやかで透明感がありながら、どこか芯の強さを感じさせる彼女のボーカルは、激しいバトルが繰り広げられる本編の興奮を優しくクールダウンさせる絶妙なコントラストを生み出しました。エンディング映像で描かれた「雨上がりの窓辺に腰掛けるブルマ」のセル画とともに、楽曲は世代を超えたノスタルジーの象徴として定着したのです。
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