印刷された年賀状の余白に添える「手書きの一言」には、日本語の歴史に根ざした固有の作法が存在します。代表的なものが「句読点(、や。)」を打たないルールです。これには古来、書状に句読点を用いなかった伝統の名残に加え、「新年のおめでたい関係や縁に区切りをつけない(切らない)」という縁起担ぎの意味が込められています。文章が長くなって読みづらいと感じる場合は、読点の代わりに「1文字分の空白(スペース)」を空け、句点の代わりに「改行」を用いることで、マナーを守りながらすっきりとした可読性を確保できます。
もうひとつの重要事項が「忌み言葉」の徹底的な排除です。特に無意識に使われやすいのが「去年」という語です。「去」の字には「去る・離れる・死ぬ」といった別れや衰退のニュアンスが含まれるため、年賀状では必ず「昨年」あるいは「旧年」と言い換えます。同様に、「失う」「滅びる」「病む」「途切れる」といった負の連想を誘う漢字も避けなければなりません。相手や自身の健康に触れる際も、「病気を克服し」と書くのではなく「元気を保ち」と肯定的な表現に転換する配慮が基本です。
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