神咲豊多香が第八の使徒に指定した奇跡の1本。それはフランス・シャンパーニュ地方のアヴィズ村に本拠を置く、ジャック・セロス キュヴェ・エクスキューズ NV(Jacques Selosse Cuvée Exquise Sec NV)でした。大手メゾンが市場を独占していたシャンパーニュ界において、自社畑のブドウのみを用い、ビオディナミ農法と木樽発酵を徹底してテロワールを表現する「RM(レコルタン・マニピュラン)」の先駆者として世界中に熱狂的なファンを持つ生産者です。
一般的なシャンパーニュがキリッとした辛口(ブリュット)を志向する中、このキュヴェ・エクスキューズは残糖度の高い「セック(中甘口)」に仕上げられています。しかし、単なる甘口スパークリングとは一線を画します。圧倒的なミネラル感と凝縮された果実味、長期樽熟成による複雑なトースト香が、豊潤なドサージュ(糖分添加)と完璧に調和。飲む者を暖かく包み込むようなふくよかさと、一本筋の通った凛とした酸が共存しています。
豊多香が遺言状で伝えたかった「厳しさと優しさをあわせ持つ母性」「人生の伴侶」というイメージは、この唯一無二のドサージュが生み出す包容力によってのみ再現されるものでした。市場価格は2000年代初頭から急騰を続け、現在では1本あたり10万円から15万円を超えるプレ値で取引されることも珍しくない幻のシャンパーニュです。
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