面を埋めるサテンステッチにおいて最も頻発するミスが、糸を引っ張りすぎてフェルトが巾着状にすぼんでしまう現象です。刺繍糸は通常6本が1束になっていますが、この刺繍糸の本数取りを適切にコントロールしなければなりません。細密な輪郭線には2本取り、面を埋める艶やかなサテンステッチには2本〜3本取りを採用するのが鉄則です。決して6本取りのまま力任せに埋めてはなりません。
針を刺す際は、輪郭の外側から内側へ向かって平行に針足を揃えます。糸を引き抜く力加減は「布の表面に糸がふわりと乗る程度」に留め、繊維を締め付けない意識を維持してください。布の伸縮を抑える裏技として、図案を写す前のフェルト裏面に薄手の接着芯をあらかじめ低温アイロンで貼っておく工法が有効です。これだけで、サテンステッチ特有の収縮応力を芯地が吸収し、図案全体の歪みを劇的に抑え込めます。
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