『新テニスの王子様』のバトルインフレを牽引してきた要因の一つに、平等院鳳凰が操る超常的な必殺技の数々があります。ただラケットでボールを打ち返す次元を超え、対戦相手の精神や肉体を根本から破壊するショット群は、読者に強烈なインパクトを与え続けました。
代表的な技である「光る球」は、スイートスポットを外せばラケットごと肉体を破壊する威力を持ち、打球が発光しながら壁を粉砕する描写で話題を呼びました。さらに、エジプト、アメリカ、ロシアなど世界各地を彷徨いながら体得した「世界一周」のショットバリエーションは、彼の放浪の歴史とテニスに対する執念を如実に物語っています。
そして彼が到達した境地こそが「阿修羅の神道」です。自らの限界を悟り、死の淵を覗き込んだ者だけが開くことのできる異次元の扉。骸骨船長の幻影を背負い、精神的にも肉体的にも常軌を逸したプレッシャーを対戦相手に与え続けるそのプレイスタイルは、まさにテニスという枠組みを超えた武道、あるいは魂の削り合いと呼ぶにふさわしいものでした。
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