日本国内におけるソースの消費勢力図には、食文化の成り立ちに起因する深い東西の地域差が横たわっている。市場調査データによれば、関東と関西のシェアは完全に二分された状態が続いている。
東日本、特に関東甲信越エリアでは中濃ソースのシェアが6割以上を占める。高度経済成長期以降、大手メーカーが「1本でどんな洋食フライにも対応できる万能調味料」として中濃ソースを関東の核家族層へ集中的に普及させた歴史的経緯がある。冷蔵庫のドアポケットに置くソースは中濃1本のみ、という世帯が極めて多い。
対する関西をはじめとする西日本では、状況が一変する。ウスターソースとお好み焼き・とんかつ用濃厚ソースの「2本使い分担文化」が徹底して根付いている。関西において「ソース」といえばウスターソースを指し、中濃ソースの販売比率は数パーセント程度に留まるスーパーマーケットも珍しくない。串かつ文化に代表される「ドブ漬け」や、粉ものの下味付けにおいて、サラサラとした浸透性の高い液体が不可欠だった背景が、この嗜好を不動のものにしている。
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