表面の水分拭き取りが完了しても、い草の内部や床(畳床)には目に見えない水分が残存しています。放置すると24〜48時間以内にカビの胞子が発芽し、水分蒸発の境界線に沿って「輪ジミ」が定着します。これを防ぐためには、強制乾燥の工程が不可欠です。
乾燥にはヘアドライヤーを使用しますが、温風を当て続けると繊維が急速に収縮してひび割れや変色を引き起こすため、必ずドライヤー冷風乾燥を適用します。風を織り目に沿って15〜20分間送り込み、内部の湿度を逃がしてください。湿度が80%を超える梅雨時や夏場は、仕上げとして消毒用エタノール(濃度70〜80%)を布に軽く吹き付け、織り目に沿って優しく拭き上げることで、カビの発生リスクを物理的に遮断できます。天気の良い日であれば、畳を持ち上げて風を通すか、陰干しを行うのが理想的です。直射日光による天日干しはい草の急激な退色を招くため、風通しの良い日陰で乾燥させる必要があります。
Tags: