美輪明宏の若い頃を振り返るとき、浮かび上がってくるのは単なる「美貌のスター」の姿ではありません。そこには、被爆の爪痕や極貧の絶望に屈せず、昭和という男性優位の均質化された社会に対し、自らの身体と歌声一つで異議を申し立て続けた孤高の反逆者の姿があります。
『メケ・メケ』で性を撹乱し、『ヨイトマケの唄』で弱者の尊厳を叫び、『黒蜥蜴』で究極の耽美を体現した若き日の営為。それは、多様性やジェンダーレスという言葉が定着する遥か以前に、一人の人間として「本当の自分であること」を貫き通した闘争の軌跡でした。現代を生きる私たちが彼の若き日の姿に魅了され続ける理由は、その完璧な容貌の奥底に宿る、決して何者にも屈しない精神の高貴さにあると言えます。
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