公式の記録に存在しないセリフが、なぜここまで多くの人々の記憶に刷り込まれたのでしょうか。発祥の原点は、2011年のリアルタイム放送当時に盛り上がっていたふたば☆ちゃんねるや2ちゃんねる(現5ちゃんねる)などの電子掲示板文化にあります。
当時、物語中盤以降で急速に追い詰められていく美樹さやかの境遇に対し、ネット上では哀愁とブラックユーモアを交えた様々なコラージュ画像や改変ネタが投下されていました。特に、箱を開けたら期待していたものとは違う冴えないものが入っていたという古典的なお笑いフレーズ「残念!○○でした!」のフォーマットに、作中で最も報われない扱いを受けていた彼女のキャラクター性が合致したことが決定打となりました。
親友の鹿目まどかや圧倒的な実力を誇る巴マミ、謎に包まれた暁美ほむらといった強烈な個性を持つ少女たちの中で、さやかは「最も身近で、最も人間臭く、そして最も不運な少女」として描かれました。その悲哀がインターネット独特のアイロニーによって反転し、「期待を裏切って登場する道化役」というミームのキャラクター像が作り上げられたのです。
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