他県から訪れた人々が最も衝撃を受けるのは、東北地方における「芋煮会のための社会インフラ」の完成度です。仙台市や山形市内の食品スーパーや大学生協では、秋口になると店頭に薪の束が山積みにされ、カセットコンロ用のガスボンベや着火剤が特設コーナーに並びます。
さらに特筆すべきは「大鍋の無料貸出サービス」です。一定額以上の食材や調味料を購入した客に対し、直径40, 50センチメートルの大型アルミ鍋やオタマ、ゴザなどを店舗が無償で貸し出します。皮をむいて一口大にカットされた里芋、手でちぎられた平こんにゃく、スライス済みの葱と肉がワンパッケージになった「芋煮セット」も完備されており、事前の下ごしらえなしに手ぶらで河川敷へ直行できる仕組みが確立されています。この民間小売チェーンを巻き込んだ利便性こそが、若年層や転勤族をも巻き込んで文化が風化しない決定的な理由です。
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