男性カバーの歴史において、最も高い評価を得ているのが佐藤竹善(SING LIKE TALKING)のテイクです。自身の洋楽・邦楽カバーシリーズ『Cornerstones』で見せたアプローチは、AORやブルーアイドソウルの語法を巧みに取り入れ、母音の響きを深く響かせる豊かな中低音が特徴です。原曲の切迫感を大人の包容力へと昇華させた名演として、多くのオーディオファンからも熱烈に支持されています。
対照的に、魂の叫びをデュエットの構造で増幅させたのがコブクロです。2010年発売のカバーアルバム『ALL COVERS BEST』に収録されたバージョンでは、小渕健太郎の繊細なアルペジオと切ない主旋律に、黒田俊介の圧倒的な声量と太い低音が重なります。後半にかけて感情が爆発するダイナミクスは、2人組ならではの圧倒的な推進力を誇ります。
シルキーなハイトーンで一世を風靡した徳永英明は、ライブや特別企画でこの曲を披露し、独特のウィスパーボイスで喪失の虚無感を繊細に描き出しました。さらに、クリス・ハートは2015年の『Heart Song III』でカバー。外国人シンガーならではの濁りのないクリアな母音発声と、驚異的な声域コントロールで、教会音楽を思わせる神聖なバラードへと再定義しました。
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