野菜室で食べ切れないほど大量にある場合は、迷わず冷凍保存へシフトします。しかし、ナスを適当に切ってそのまま冷凍庫へ放り込むと、ポリフェノールオキシダーゼという酸化酵素の働きで果肉が真っ黒に変色し、スポンジのようにパサついた最悪の食感に陥ります。
生のまま冷凍する場合のポイントは「食塩水」です。乱切りや輪切りなど好みの大きさにカットしたら、1%濃度の食塩水に約5〜10分晒します。これによりアクが抜けると同時に酵素の活性が抑えられ、褐変を物理的に遮断できます。ザルに上げて水気を徹底的にペーパーで吸い取り、金属トレーに広げて急速冷凍させた後、密閉保存袋へ移します。調理の際は解凍せず、凍ったまま強火のフライパンや煮汁へ投入するのが水分流出を防ぐ絶対ルールです。
さらにプロが推奨するのが「加熱後のオイルコーティング冷凍」です。ナスをあらかじめ多めの油で素揚げ、またはフライパンでしんなりするまで炒めてから粗熱を取り、重ならないようラップで小分けして冷凍します。油の被膜がナスの細胞壁をコーティングし、解凍時のドリップ流出と組織の崩壊を完全にシャットアウトします。ナス特有のとろけるような舌触りを一切損なわずに長期保存が可能です。
半分だけ使用した「使いかけのナス」にも厳格な処置が求められます。ナスは空気に触れた断面から一気に酸化が進行するため、切り口へレモン汁や薄い酢水をハケで薄く塗布するか、断面にぴったりと密着させるようにラップを巻き付けます。その後、全体をラップで覆い尽くして野菜室へ戻し、48時間以内に使い切るのが品質保持のリミットです。
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