2017年10月にリリースされた通算16枚目のオリジナルアルバム『「untitled」』は、タイトル通り「未完成」「タイトルなし」を掲げた嵐のキャリア屈指の実験作だった。当時、音楽メディア「Real Sound」が分析した通り、アルバムリード曲である「『未完』」とラストに控える「Song for you」の2曲には、結成20周年を目前に控えながらも安定に甘んじることを激しく拒絶する“攻めの姿勢”が宿っていた。
「『未完』」ではモーツァルトの交響曲第40番のモチーフを大胆にサンプリングし、和音階、ハウス、ヒップホップを複雑怪奇に衝突させた。その過激な実験性の終着駅として用意されたのが、11分を超える壮大な組曲「Song for you」である。ポップスグループが10分超の長尺トラックをアルバムに配すること自体が異例中の異例であり、そこには自分たちの音楽史を単なるシングルコレクションとしてではなく、ひとつの叙事詩として残すという強い意志が働いていた。
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