中華圏のローカルフードがグローバルなトレンドを牽引する昨今、麻辣湯に次ぐ潮流として定着しつつあるのが陝西省西安市の伝統麺料理です。特徴は、幅が2〜3センチ、長さは1メートル近くにも達する「幅広麺(ベルト麺)」。茹で上げた熱々の麺の上に、刻み唐辛子、花椒、刻み葱、ニンニクを山盛りに載せ、沸騰した黒酢や熱した油をジャッとかけて一気に和える「油潑(ヨウポー)」スタイルが基本形です。
視覚的なインパクトと強烈なシビ辛感、そして小麦の風味をダイレクトに噛み締める力強いコシは、現代のSNS時代において強力な求心力を放っています。しかし、来店客がまずスマートフォンを向けるのは丼の中身だけではありません。店舗の暖簾やメニュー表に鎮座する、黒々と塗りつぶされたかのような巨大な漢字です。この文字が存在しなければ、ビャンビャン麺がこれほどまでに国境を越えて拡散することはなかったと言っても過言ではありません。
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