1998年、フジテレビ系のドラマ『WITH LOVE』で本格的な俳優デビューを飾った及川は、当初は自身のパブリックイメージに近いキザな役柄を器用に演じていました。しかし、2003年の唐沢寿明版『白い巨塔』で国平弁護士役を熱演したあたりから、業界内の評価は一変します。知性と冷徹さ、そして内に秘めた歪みを巧みな目線と台詞回しで表現し、単なるタレント俳優の枠を完全に踏み越えました。
その評価を決定づけたのが、2009年からスタートした『相棒』シリーズの2代目相棒・神戸尊役です。水谷豊演じる杉下右京の卓越した推理力に対し、エリート警察官としての矜持と人間味ある葛藤をぶつける尊のキャラクターは、シリーズファンから絶大な支持を集めました。スーツの着こなしからスマートな所作に至るまで、王子様時代に培った身体表現の規律を、リアルな警察官の役作りに見事に昇華させた瞬間でした。その後も『半沢直樹』での情報通な同期・渡真利忍役など、物語を牽引するキーパーソンとして日本映画・ドラマ界に欠かせない存在となっていきます。
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