コビーの発言を「軍隊組織の規律」というレンズを通して冷徹に精査すると、赤犬(サカズキ)が下そうとした即決処刑の論理にも一定の軍事的合理性が存在します。軍事組織において、作戦遂行中の下級兵士による独断の制止命令は、明白な敵前逃亡および反逆行為に分類されるためです。
当時の海軍大将であった赤犬は「徹底的な正義」を掲げ、悪の根絶こそが世界秩序を保つ唯一の手段であると信奉していました。赤犬の視点では、わずかでも生き残った海賊が将来的に民間人を襲撃するリスクを排除することこそが軍人の責務であり、私情や同情で刃を引く行為は「正義への背信」にほかなりません。階級社会の鉄則を破り、全軍の指揮系統を麻痺させかねない言動に及んだコビーに対し、赤犬が「正しくもない兵士は海軍に要らん」とマグマの拳を振り下ろしたのは、冷酷でありながらも厳格な軍規遵守の表れでした。
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