警告試合に発展するほどの修羅場において、指揮官がどのような振る舞いを見せるかはチームの命運を左右します。中日・広島戦の白眉は、激怒してベンチを飛び出した井上監督と、それを受け止めた新井監督の対峙でした。
自軍の選手が立て続けに標的となり、骨折などの選手生命に関わるリスクに晒された井上監督が激昂するのは当然の義務です。しかし、井上監督は感情に任せて新井監督に掴みかかるのではなく、距離を詰めて厳しい表情で冷静に諭すような対話を選択しました。新井監督もまた、危険な投球が重なった事実を真摯に受け止め、藤井ヘッドコーチと共に低姿勢で説明と陳謝の姿勢を示しました。
もし両監督がエキサイトして取っ組み合いを演じていれば、選手やコーチを巻き込んだ流血の大乱闘へと発展していたことは間違いありません。指揮官同士が極限状態で理性を保ち、互いの立場を理解しつつ「これ以上の危険投球は許さない」というラインを共有したからこそ、警告試合の宣告を境に試合は再開され、最後まで野球として成立したのです。
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