歓喜の美酒を浴びた直後、村上が発した「本当に大変でした」という吐露は、単なる社交辞令ではありませんでした。球団史上初の連覇という巨大な看板は、想像を絶するプレッシャーとなって選手会長の肩にのしかかっていたのです。
先発マウンドに上がれば、常に相手のエース格と投げ合い、試合を作ることが義務付けられます。自らのコンディション調整だけでも過密な日程の中で、選手会長としての業務は多岐にわたりました。球団首脳陣との折衝、遠征先での選手会ミーティングのセッティング、さらにはベンチ入りできない若手選手や二軍暮らしが続くチームメイトへの声かけまで、彼が気を配るべき領域はグラウンドの外にまで際限なく広がっていました。
自らの投球が思うようにいかない夜でも、選手会長として下を向くことは許されません。ロッカールームでは常に努めて明るく振る舞い、ベンチの雰囲気を引き締める役回りを自らに課していました。その孤軍奮闘とも言えるリーダーシップが、ペナントレース終盤の失速を防ぐ防波堤となっていたのです。
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